ベルトの鳴き
音の出どころ
エンジンルーム
先延ばしにせず、数日のうちに点検を
ボンネットの下から聞こえる甲高い鳴きは、ほぼ必ず補機ベルトのものです。クランクシャフトからオルタネーター、ウォーターポンプ(冷却水のポンプ)、車によってはエアコンのコンプレッサーやパワステポンプまで回している、あのベルトです。鳴くのは一つの場合だけ。プーリーをしっかりつかまず、滑っているときです。
滑る原因は二種類あります。一つはベルト自身。ゴムが古くなって硬化した、張力が落ちた、作動面にオイルや冷却水が付いた。もう一つは、ベルトが回している側。引っかかり気味のアイドラープーリー、重くなったエアコンコンプレッサーのクラッチ、ベアリングの摩耗したウォーターポンプは、ベルトが伝えられる以上の負荷をかけます。いつ鳴くかによって、原因の範囲はかなり狭まります。
考えられる原因
| 原因 | 起こりやすさ | 危険度 |
|---|---|---|
| 摩耗したベルト、または張力不足 | もっとも多い | 今週中に整備工場へ |
| 冷間時や湿った日の滑り | 多い——暖機後に鳴きが消える場合 | そのまま走れます |
| テンショナープーリーやアイドラープーリー | 少なくない——鳴きと一緒にうなりやシャラシャラ音がする | 今週中に整備工場へ |
| エアコンコンプレッサーのマグネットクラッチ | エアコンを入れた瞬間と鳴きが重なる場合 | 今週中に整備工場へ |
| ウォーターポンプ、またはオルタネーターのワンウェイプーリー | 少ない | 今週中に整備工場へ |
このまま走れるか
鳴きが短く、冷間始動の最初の数秒だけなら、落ち着いて走って構いません。その日の予定を変える理由ではなく、ついでにベルトを見てもらう理由です。
鳴きが続く場合や負荷をかけたときに鳴く場合も、当面は走れますが、一週間以内に工場を予約してください。滑るベルトは過熱し、摩耗が一気に進みます。切れればオルタネーターが止まり、多くの車ではウォーターポンプも止まります。すぐに路肩へ寄せてエンジンを止めるべき合図が二つ。バッテリー警告灯の点灯と、上がっていく水温計です。どちらもベルトがもう補機を回せていないという意味です。
自分で確かめられること
- いつ鳴くかを覚える。始動後の数秒、エアコンを入れた瞬間、ハンドルを切ったとき、それとも常時か——原因への最大の手がかり。
- エンジンをかけたままエアコンを入れる。入れた瞬間ちょうどの甲高い音は、滑っているコンプレッサーのクラッチを示す。
- エンジンを止めてベルトを見る。横方向のひび、ほつれた縁、側面のてかった「磨き跡」は摩耗の印。
- ベルトとプーリーの周りにオイルや冷却水の跡がないか確かめる。油の付いたベルトは新品でも鳴き、冷却水の跡はウォーターポンプを示す。
- 鳴きの隣に、エンジン回転と一緒に変わる一定のうなりやシャラシャラ音がないか聞く。それはどれかのプーリーのベアリングの音。
質問で原因を絞る
いくつかの質問に答えると、質問ツリーがあなたの場合の原因を絞ってくれます。
アプリが役に立つところ
アプリ「Pro-Stuk」は音の性格と場面——鳴きかうなりか、冷間か負荷時か、エアコンと関係あるか——を確かめ、録音からベルトの鳴きとプーリーのシャラシャラ音を聞き分ける助けをします。レポートには確率つきの推定原因と信号:走ってよい、今週工場へ、あるいは止まる。
よくある質問
走行中にベルトが切れたらどうなりますか。
その場で充電が止まります。オルタネーターが停止し、車はバッテリーの残りで走ることになります。ふつう数十分です。ベルトがウォーターポンプも回しているエンジンでは水温が急に上がり、走り続けることはできません。だから鳴くベルトは、切れてからではなく予約して替えるほうがよいのです。
なぜエアコンを入れると鳴きが出るのですか。
エアコンのコンプレッサーはベルト上でもっとも重い負荷です。クラッチがつながる瞬間に負荷が跳ね上がり、摩耗したベルトや張力の落ちたベルトは滑り出します。つながる一秒だけ鳴くなら、クラッチ自体の点検も価値があります。その摩耗も同じ音を出します。
スプレーを吹けば鳴きは止まりますか。
やめたほうがよいです。スプレーやWD-40のような「民間療法」は一日二日の静けさを買えますが、しみ込んだゴムはかえって滑りやすく、劣化も早まります。そして原因——摩耗や張力不足——はそのまま残ります。プーリーと一緒にベルトを替えるほうが確実で、工場でも安い部類の作業です。