打音やフワつきをなくすためにショックアブソーバーを交換したのに、足元か ら以前はなかった新しい打音が出る。腹立たしい話ですが、あまりに典型的な ので原因のリストは短くて済みます。圧倒的多数は、ショック本体ではなく 取り付けか、節約された「小物部品」のせいです。以下、多い順に並べます。
原因の第一位は取り付けミス
いちばん多いのがロッドナットをインパクトで締めることです。ショック のロッドが供回りし、アッパーマウント側の座面が傷み、締付トルクは成り行 き任せになります。正しいやり方は、別のレンチでロッドを保持し、ナットを 規定トルクで締めることです。締めすぎでも締め足りなくても、段差のたびに ストラット上部からはっきりした打音が出ます。
そのほかの典型的なつまずき。
- 組付け時にスプリングが正しい位置に座っていない。車体を揺すると打音と きしみが出ます。
- ストラットとナックルを留めるボルト、あるいはアッパーマウントのナット が締まっていない。
- マウントキットのスペーサーやワッシャーの入れ違い、入れ忘れ。
いずれも締め直しと組み直しで直り、短時間で済み、工賃保証の範囲です。
マウントとバンプラバーの節約
ショックは周辺部品の中で働きます。上にはアッパーマウントとそのベアリン グ、ロッドにはバンプラバーとダストブーツ。メーカーはこれらをショックと 一緒に交換するよう推奨しています。新しいストラットにへたった古いマウン トや崩れたバンプラバーが付けば、打音はほぼ確実です。マウントは衝撃を そのままボディへ伝え、バンプラバーがなければサスペンションは硬い金属 どうしの打撃で底付きします。
ストラットのアッパーマウントベアリングは別の話です。その摩耗は段差だけ でなく、停車したままハンドルを切ったときにも聞こえます。
部品そのものが原因のとき
不良品や偽物は実在します。とくに人気ブランドではそうです。目印は、組付 けが正しいのに最初の数日から打音が出る、ボディにオイルがにじむ、左右で 硬さが違う、といったところ。確認は簡単で、左右を入れ替えるか、保証交換 します。まともなメーカーの本当の不良率は低いので、この説は取り付け系を 確認したあとに検討します。
| 症状 | 考えられる原因 | どうするか |
|---|---|---|
| 小さな段差で上から打音 | ロッドナット、アッパーマウント、ベアリング | 締め直し、マウント交換 |
| 深い穴で硬い突き上げ | バンプラバーの欠品・崩壊 | ストラットの周辺部品を揃える |
| 揺すると打音ときしみ | スプリングの座り不良、乾いたブッシュ | ストラットを組み直す |
| 最初の数キロから打音、オイルにじみ | ショックの不良 | 保証交換 |
| 以前からあった打音が大きくなった | 隣の部品 | 診断 |
ショックが無関係なとき
三つ目の筋書きがあります。鳴っているのは交換した部品ではない、という 場合です。ストラットの作業では、ほぼ必ずスタビリンクを外します。固着し たジョイントはその過程で簡単に傷みます。もっと単純に、新しくしっかりし たショックがサスペンションの動きを変え、それまでフワつきに隠れていた 隣の部品の摩耗が聞こえるようになったということもあります。自分で確認も できます。方法は リフトなしで足まわりの打音を探す に、スタビリンクの点検は スタビリンクの打音を点検する にあります。典型的な音は症状ページ サスペンションの打音と 段差での打音にまとめてあります。
動き方の順番
現実的な順番はこうです。
- 300〜500キロ走り、点検の増し締めのために工場へ戻る。これは苦情では なく通常の手順です。
- 打音が残るなら、リフトの上でロッドナットのトルクと、マウント・バン プラバーの状態を確認してもらう。
- 意見が割れる場合は、独立した第三者の診断で決着をつける。
作業指示書と、何をいつ交換し、いつ音が出たかという経緯がはっきりしてい ると、工場との話は楽になります。揺すったときのきしみが加わっているなら 車体を揺するときしむも 参考になります。
話を具体的にするには、打音そのものを捕まえるのがいちばんです。いちばん よく聞こえる同じ道でStukアプリの録音を回してください。アルゴリズムが 録音とあなたの回答を突き合わせ、考えられる原因を緊急度つきで示します。 録音があると、工場も「異常ありません」とは言いにくくなります。