腐ったマフラーは、まず近所の人に気づかれる故障です。車の音が大きくなり、 加速で低い唸りが乗り、アクセルを戻すとパンパン鳴りだす。それ自体は緊急 事態ではありませんが、この音は排気系に穴が開いた確かな証拠です。車内が 排気くさくなる前に片付けておきたい問題です。
マフラーが腐る理由
排気系は過酷な場所にいます。外には水、凍結防止剤、飛び石。内には高温の ガスと結露水。その中で最も危険なのが結露水です。街中の短距離走行では系 が十分に暖まらず、水分がケースの底にたまって蒸発せず、燃焼生成物と合わ さって酸性の環境をつくり、金属を内側から食べます。ですからマフラーは ほぼ必ず、底から、そして内側から腐ります。外から見るケースは、最後まで それなりに見えていることがあるのです。
凍結防止剤をまく冬の使用はそれを早めますし、薄い鉄板でできた安価な選び 方の悪いマフラーや、燃え残りを系へ送り込む濃い混合気も同様です。機械的 な損傷は別の話で、縁石やハンプの一撃が溶接線に沿った割れの起点になり ます。
どう聞こえ、他に何に気づくか
兆候の組み合わせはほぼ決まっています。
- 音が大きくなる。 音が低く重くなり、とくに冷間時と負荷時に目立ちま す。テールパイプからというより、床下から聞こえるのが特徴です。
- アクセルを戻したときのパンパン音。 穴から空気が吸い込まれ、残った 燃料が系の中で燃えます。この様子は症状ページ 排気系のバックファイアで扱っています。
- 特定の回転数でのビビリ。 剥がれた内部の仕切りが共振します。
- 車内の排気のにおい — 最も不快な兆候で、すぐに対応が必要です。
- すすの跡。 ケースや下のパイプにできる、穴のまわりの乾いた黒い染み は、リフトなしでも見えます。
耳と手でも確認できます。エンジンをかけた状態で、厚い布越しにテール パイプをしっかり塞いでもらうと、系の圧力が上がって穴からシューという音 がはっきり聞こえ、煙がひとすじ出ることもあります。冷えているか、ほとん ど暖まっていない状態で、短時間だけ行ってください。
近くの故障と混同しない
| 兆候 | 腐ったマフラー | 別の原因 |
|---|---|---|
| 何か月もかけて音が大きくなった | 該当。典型的 | — |
| ある日突然の轟音とアイドリングの振動 | 少ない | エキゾーストのフレキシブルパイプの破れ |
| 1500〜2500回転での金属的なビビリ | あり得る | ヒートインシュレーター |
| 音と一緒に出力も落ちた | 該当しない | 触媒の詰まり |
| ザラザラと破片が転がる音 | 該当しない | 崩れた触媒のセラミック |
決め手は出力です。排気の穴は力を奪いません。ガスがより楽に抜けるだけで す。音も大きく、走りも鈍いなら、別々の問題が二つあるか、原因がマフラー ではないかのどちらかでしょう。床下の音の一覧は 床下のガタガタ音にあります。
修理はどう決めるか
診断は単純で、リフトアップしての目視です。修理を頼む前提なら無料のこと が多いでしょう。そのあとは金属の状態次第です。健全なケースの局所的な穴 なら当て板を溶接し、パイプなら区間で交換します。ケースが腐り抜けて指で 押して沈むなら、新しいケースが妥当な答えです。そうしないと、二か月ほど で溶接の隣に新しい穴が開きます。
尋ねておきたいことが二つ。目に見える穴だけでなく、系全体を叩いて確かめ たか。結露で腐ったケースが一か所だけ腐っていることはまれで、全体が薄く なった系に当て板を一枚溶接しても、稼げるのは数週間です。もう一つ、排気 の吊りゴムが健全か。垂れた系はボディに擦れ、溶接部に負担をかけるので、 古いゴムに新しいケースを付ければ寿命より早く腐ります。
音が大きくなったのは分かるが、系のどこが抜けたのか分からない——そんな ときはStukアプリで録音してください。アイドリング時と、回転を滑らかに 上げたときの二つです。アプリは録音と回答を照合し、系のどこから点検すべ きかを提案します。