詰まった触媒が、はっきりした一つの症状で名乗り出ることはまれです。ずっ と多いのは、数か月かけて少しずつエンジンの息を詰まらせるやり方です。 出足がだるくなり、上りがつらくなり、燃費が悪くなる——そしてドライバーは 新しい性格に慣れ、年式のせいにします。詰まった触媒の見分け方、他の出力 低下との違い、そして修理の決め方を見ていきます。

内部で何が起きているか

触媒は、貴金属を担持した細い通路を数千本持つセラミックの塊です。排気は すべてこのハニカムを通り、熱くなった表面で残った燃料と有害成分が燃やさ れます。通路がきれいなうちは流れの抵抗は小さく、エンジンは存在を意識し ません。

問題が始まるのは、余分な燃料やオイルが排気側へ届き続けたときです。不調 なインジェクターによる濃い混合気、失火、傷んだバルブステムシールを通っ たオイルの消費など。燃え残りは通路の壁に付いて炭化し、ひどい過熱では セラミックが部分的に溶けます。通路が狭くなり、排気が押し込まれ——エン ジンは車輪に力を送る代わりに、塞がった系へ排気を押し出す仕事を強いられ ます。

運転席からはどう感じるか

典型的な像では、いくつもの兆候が同時に現れます。

  • 高回転で頭打ち。 2500〜3000回転までは普通に走るのに、その上で見え ない壁に当たります。回転はだるく上がり、加速が死にます。詰まりが進む ほど天井は低くなります。
  • 負荷をかけると加速しない。 上り坂、乗車定員いっぱい、追い越し。 平地で一人なら悪くないのに、明らかに引っ張らなくなります。
  • 排気系まわりの過熱。 焦げたにおい、触媒より手前のパイプの変色や 赤熱。
  • 温間始動が悪い、長く走ったあとアイドリングで止まりそうになる。排気 側の圧力でシリンダーの掃気がうまくいかなくなるためです。
  • 運転の仕方は変えていないのに燃費が悪化。
  • 排気側でのパンパンという音。 燃え残りが系の中で着火しています。 この音と近縁の音は症状ページ 排気系のバックファイアにあります。

別のシナリオが、床下からの金属質のカサカサ、ザラザラという音です。これ はすでに崩れはじめたセラミックで、 触媒が崩れたときのカラカラ音 で説明しています。

何と混同されやすいか

似た症状触媒との違い
エアフィルターの目詰まり出力の落ち方がもっと穏やか。15分で確認できる
燃料ポンプの能力不足息継ぎが不規則で、滑らかな天井ではなくガクガクする
タイミングチェーンの伸びチェーンの音とカム位置の故障コードを伴って落ちる
マフラーの腐食出力には影響せず、音量だけが変わる
ターボの不調排気が健全なのに笛のような音、白煙、過給圧の低下

間接的ながら雄弁な手がかりが、診断中に触媒を一時的に迂回させたときの 挙動です。すぐに力が戻れば疑いはほとんど残りません。より正確なのは排気 背圧の測定で、O2センサーの代わりに圧力計を付け、回転を上げながら圧力を 見ます。

修理はどう決めるか

第一段階は診断機によるスキャンです。触媒効率や混合気の故障コードが見え ますし、それ以上に重要なのは原因の手がかりが得られることです。触媒が 自分だけで死ぬことはまずなく、エンジン側の不調が殺すからです。オイル 消費や失火を直さなければ、新しい触媒も同じ運命をたどります。部品を注文 する前に片付けるべきなのは、この一点——何がこれを殺したのか、です。

第二は、代わりに何を入れるかです。純正、社外品、汎用品では価格も寿命も、 後ろ側のO2センサーが納得するかどうかも違いますし、排出ガス検査の決まり は国や地域で異なります。ですから金額だけで決める話ではありません。まず 自分の検査で何が求められるかを確認してください。

第三はO2センサーそのものです。触媒を焼いた排気の流れの中にいた部品なの で、確認せずに触媒だけ替えると、同じ故障コードに戻ってくることがよく あります。

どこまでなら乗り続けてよいかは 触媒が壊れたまま走れるか で扱っています。

じわじわ力がなくなっていて、排気系のせいかどうか確信が持てないなら、 アイドリング時と、アクセルを一気に踏んだときのエンジンと排気をStukアプ リで録音してください。アプリは録音と症状の説明を照合し、考えられる原因 を確率つきで示すので、「走らないんです」ではなく仮説を持って入庫できま す。