リアデフは、動力の流れを九十度曲げて左右の後輪へ分配する、かさ歯車の入っ た箱です。中の歯は常に滑りを伴って働き、オイルの中で暮らしています。だか らここの摩耗は、ほぼ必ず先に耳に届き、体感は後から来ます。典型的な筆跡は、 ある速度帯で現れ、駆動時と惰性で違って聞こえるうなりです。これが後ろから 出る他のどの音とも違う点です。

なぜアクセルでうなりが変わるのか

エンジンが引いているとき、ドライブピニオンの歯はリングギアの歯の片方の面 を押しています。アクセルを戻して惰性になると荷重の向きが変わり、歯は反対 の面に当たります。摩耗が不均一だったり、噛み合いのバックラッシュが正しく 出ていなかったりすると、この二つの面は違う音を出します。だから特徴的な現 れ方をします。時速70kmで駆動しているとうなり、同じ70kmの惰性ではほぼ無音、 あるいはその逆です。

デフ内部のうなりのもう一つの音源はシャフトのベアリングです。こちらはペダ ルにあまり左右されず、速度とともに上がる、より一定のうなりを出します。両 方が重なることも多く、耳には速度ごとに色合いの違う層状のうなりとして届き ます。

他の音源との見分け

音源駆動と惰性への反応操作への反応
デフ、歯の噛み合い駆動時と惰性ではっきり違うほぼなし
デフのベアリング弱い、速度とともに上がるほぼなし
ハブベアリングなしカーブで目に見えて変わる
プロペラシャフトのセンターベアリング弱いなし
タイヤなし路面で変わる

実際の手順は単純です。うなりが最もはっきりする速度を見つけ、その速度でア クセルを一定に保つ、戻す、左右にゆるく蛇行する、を順にやります。ペダルで 違いが出ればデフ、カーブで違えばハブ、どちらでもなければたいていセンター ベアリングかタイヤです。ハブとの比較は うなるハブベアリングのまま走ってよいかうなるのはミッションかハブベアリングか に。この系統の音の一覧は症状ページ 走行中のうなり にあり、速度とともに増す音の整理は 速度とともに大きくなるうなり に、同じ論理のミッション版は 特定の速度でのミッションのうなり にあります。

均一なうなりではなくカーブでカタカタ鳴るなら、 カチカチ鳴るドライブシャフトのまま走ってよいか を見てください。アクセルのオンオフで一発コツンと来るなら アクセルのオンオフでの駆動系のコツン です。

工場で確認すること

デフの診断は単純なところから始まります。オイルの量と状態です。金属粉が浮 いた黒いオイルと、磁石付きプラグに生えたひげ状の切り粉は、歯かベアリング の摩耗を直接指します。同時にオイルシールも見ます。にじみがあれば、オイル は一部失われ、量の足りない状態で回っていたということです。

次に、タイヤを浮かせた状態でリフト上でデフの音を聞き、ガタを確認します。 ドライブピニオンのスラスト方向のガタと、噛み合いのバックラッシュです。そ の結果でどこまでやるかが決まります。オイルとシールの交換で済むのか、バッ クラッシュの調整とベアリング交換なのか、ユニットの全面的なオーバーホール なのか。車種によっては中古のデフ一式のほうが経済的な答えになります。

修理の決まり方

論理的な順序は、まずオイルの点検を含む安価な診断、それから作業規模の判断 です。デフ修理そのものの費用は車種と、答えがベアリングなのかギアセットな のかで大きく変わるので、開けてからの見積もりになります。

整備士がいつも言うとは限らないことが二つ。リングギアとドライブピニオンは 組で当たりを出した対で、必ず一緒に替えます。片方だけを提案する見積もりは、 戻ってくる見積もりです。そして内部の作業のあとは、バックラッシュと歯当た りを勘ではなく光明丹で出す必要があります。「耳で」組んだデフは数か月でま たうなり出し、オーバーホールが失敗する最も多い理由がこれです。

うなりがまだ小さく、本当にアクセルで変わるのかを確かめたいなら、Stukアプ リで短い録音を二本、同じ速度で駆動時と惰性で録ってください。アプリが二本 の録音といくつかの質問への回答を突き合わせ、考えられる原因を割合で示しま す。