車は何十種類もの音を出しますが、そのほとんどが意味することは同じ、 「今週中に工場を予約してください」です。ただ、少数だけ扱いの違う音が あります。それらは1キロ走るごとに修理代が膨らむか、 もう安全そのものの問題になっています。ここでは結果が来る速さの順に 10個並べ、それぞれ何が壊れているのかを説明します。

選び方

この10個には共通点が3つあります。摩耗ではなく、すでに始まっている 破壊を意味すること。進行が速いこと — 数か月ではなく数キロ、 数時間の話です。そして結果が部品そのものの値段とまったく 釣り合わないこと。きしみ、シャラシャラ、カタカタ、うなりの大半は 入っていません。不快ではありますが、数千キロの余裕を残してくれる 音だからです。

10個の音

何が起きているかどうするか
1回転に同期した鈍い打音、負荷で大きくなるクランクのメタルの摩耗エンジンを止めてレッカー
2油圧警告灯と一緒に出る打音油圧不足ただちにエンジンを止める
3ブレーキペダルが沈む、シューという音系統の一方が圧力を失った停止してレッカー
4ブレーキで金属同士のゴリゴリパッドが完全に無くなった低速で工場へ
5床下でガランガラン、引きずる音アンダーカバーか排気の部品が脱落停止して点検
6破裂音とともに車が片側に取られるタイヤのバースト慌てずゆっくり停止
7足回りの打音とハンドルが取られるボールジョイントかアッパーマウントの破損自走しない
8ベルトの鳴きが唸りに変わり、焦げた臭い補機が固着しかけているエンジンを止めて確認
9うなりではなくゴロゴロ音、ボディに振動ハブベアリングの保持器が崩れかけ高速道路は使わず工場へ
10変速時にミッションからガリガリと衝撃シンクロかベアリングの破損走行をやめる

最初の3つは、ちょっとした移動も許されません。4番から10番は、 点検したうえで高速道路を使わなければ、40km/hくらいで最寄りの工場まで たどり着けることが多いです。それぞれの詳しい見分け方は コンロッドメタルの打音のサイン油圧低下のサインゴリゴリ鳴るブレーキで走っていいかボールジョイントが摩耗したサインハブベアリングが摩耗したサインにあります。 このリストの短縮版は 今すぐ走行をやめるべき音です。

よく取り違えられるもの

「危険な音」で来店した半分は、無害という診断で終わります。 それでいいのです。確かめたほうがいい。よくある取り違えはこんな ところです。ブレーキのゴリゴリは、雨のあとローターに浮いたサビの キーッという音と混同されます。違いと正常の範囲は症状ページの ブレーキのゴリゴリ音雨のあとのブレーキ鳴きにあります。 段差での足回りの打音は、トランクで固定していない荷物の音と 混同されます。そして室内のきしみは、しょっちゅう足回りの故障だと 思われます。樹脂は振動を実によく増幅するのです。見分け方は 段差での室内のきしみ段差での足回りのきしみ室内のきしみ音の出どころを見つけるに まとめてあります。

実用的なルールはこうです。音が路面に左右され、きれいな舗装で 消えるなら、足回りか室内で、待てます。音がエンジン回転や ブレーキペダルに左右されるなら、もっと深刻な部類です。

先延ばしの代償

上の表のほとんどの行で、費用の差は数倍です。そしてその差は、 ちょうど「もう一走り」の値段です。間に合ったパッドはパッド代だけ。 2週間後の同じパッドには、ローターの研磨か新品代が乗ります。 リフトで見つけたボールジョイントは、部品ひとつとアライメント代。 走行中に外れた同じボールジョイントは、フェンダーとタイヤと レッカー代です。積載車で工場に運ばれたメタルの打音はメタル交換で 済み、自走で持ち込まれた同じ打音はクランク研磨か腰下の オーバーホールになります。

このまま行くかどうか決める前に知っておきたいことが二つ。 レッカー代は、いま挙げたどの悪化よりずっと安いです。 「なんとか家まで」の計算が有利になることは、まずありません。 もうひとつ、小さくなった音は消えた音ではありません。 このリストのいくつかは、速度や温度や舵角が変わると静かになります。 だからこそ、高くつく段階まで無視されてしまうのです。

このリストにある音が出たけれど確信が持てないときは、 走り出す前にその場でStukアプリで録音してください。録音といくつかの 質問への回答を突き合わせて、考えられる原因を確率つきで示します。 このまま走るかレッカーを呼ぶかの判断がしやすくなります。